ババンババンバンバンパイア

銭湯の湯気の向こうに潜むのは、まさかの“バンパイア”!?
その名も――『ババンババンバンバンパイア』

舞台はどこか懐かしい下町の銭湯。番台、湯桶、富士山の壁画…そんな日常感あふれる空間に、常識を軽々と飛び越える存在が紛れ込む。彼は吸血鬼。しかし恐怖の化身ではない。むしろ人情に厚く、やたらと銭湯を愛し、そしてなぜか現代社会に順応しすぎている――そのギャップこそが本作最大の魅力だ。

本作は、バンパイア×銭湯×ギャグという異色の組み合わせから生まれる、テンポ抜群のコメディ作品。シュールなのにどこか温かく、くだらないのにクセになる。読み進めるほどに「次は何をやらかすんだ?」と期待が高まり、気づけば笑いが止まらなくなる中毒性を秘めている。

登場キャラクターたちも個性派ぞろい。バンパイアの常識と人間社会のズレが生む勘違い、無駄に壮大な思考、そして銭湯という舞台だからこそ生まれる絶妙な間。ホラーの皮をかぶったギャグ、ギャグの中に光る人情――そのバランス感覚が見事だ。

また、コメディだけで終わらないのも『ババンババンバンバンパイア』の魅力。人との距離感、居場所、時代に取り残されないための奮闘など、思わず共感してしまうテーマが、笑いの奥にそっと仕込まれている。だからこそ、読後には不思議な満足感と「また浸かりに来たい」という気持ちが残る。

疲れた夜に、何も考えずに笑いたい人。
王道に飽きて、少し変わった作品を求めている人。
そして、銭湯とバカバカしい発想が好きなすべての人へ。

『ババンババンバンバンパイア』
この湯、笑いの効能あり。ぜひ一度、のぼせるまでご堪能あれ。